下半身を鍛えよう!
尿漏れは、命にかかわるほど重度の症状でないのがほとんどです。
しかし、尿漏れが心配で外出を控えたり、好きなスポーツを我慢したりと、日常生活に支障をきたすようならばやはり問題です。
中には、尿漏れが原因でひきこもりになるケースもあるのです。
そうならないために、日ごろから尿漏れ対策に出来ることはあるのでしょうか。
尿漏れに悩む人の多くが女性で、腹圧性尿失禁の症状があります。
妊娠・出産によって骨盤低筋などにダメージを受けるのが原因です。
また排尿後も残尿がないようにといきんで確認するなどの行為は、尿漏れを悪化させる恐れがあります。
腹圧性尿失禁は軽度のものなら、自宅で毎日トレーニングをすると改善できることが期待されます。
緩んだ骨盤低筋を鍛えることで、尿漏れを予防、防止につながるのです。
まず、閂動作というトレーニングです。骨盤低に負担のかかる動作をする時、お腹の力を抜いて肛門を閉めます。
イメージは「おならを我慢する」感じです。
緩んだ骨盤低の動きを締めることを習慣付け、その筋肉の動作を促すことにつながります。さらに、骨盤低トレーニングも併せて行いましょう。
仰向けの姿勢で陰部全体を少しずつ持ち上げるように力を入れます。
その後は力を抜いてリラックスします。
この繰返しを1日10回、10分繰り返します。
慣れてくると日常のちょっとした時間でできます。
日ごろからトレーニングを心がけ、尿漏れを改善していきたいものです。
くしゃみと腹圧性尿失禁
くしゃみやせき、大声で笑った時などに尿が漏れてしまったという経験はありますか。「恥ずかしくてなかなか相談できない」というのが尿漏れなどの尿トラブルです。
ある調査では成人女性の約4割は何らかの尿漏れを経験したという報告があります。
尿漏れは珍しいことではなく、誰にでも起こりうる症状といえます。
くしゃみをして尿漏れになるのは、腹圧性尿失禁という症状です。
この原因は妊娠・出産にあり、腹圧性尿失禁の約9割が出産経験者といわれています。
出産により尿道周囲の靱帯や骨盤低筋などがゆるんでしまい、腹圧で尿を絞り出す癖もついてしまう人が多いそうです。
膀胱や尿道の働きにほとんど問題はありません。
骨盤低筋の筋肉が弱くなってゆるむと、膀胱頸部を支え切れなくなります。
膀胱や尿道が下がってしまって、くしゃみなどの腹圧がかかると圧力の逃げ場がなくなるので尿漏れを起こすのです。
また、女性ホルモンの低下する閉経前後も、腹圧性尿失禁になりやすく悪化しやすい時期です。
それは、年齢とともに骨盤低筋の内臓を支える力が弱くなるためと考えられています。
腹圧性尿失禁は、女性特有の生理現象ともいえる症状なのです。
くしゃみなどで起こる軽度の尿漏れなら、骨盤低筋トレーニングで改善できます。
重度の症状がある人でも、最近では簡単な手術で回復できるようになりました。
出産や年のせいだと諦めずに、ご自分に合った方法で治す方法を見つけてみましょう。
残尿と尿漏れの関係
尿トラブルで悩みを抱えている人はたくさんいます。
尿漏れ以外にも、排尿したにもかかわらず尿が残っているような感じがしてすっきりしない不快感を覚えたことはありませんか。
これを残尿といいます。
残尿はさまざまな疾患で起きる症状の一つで、病につながる恐れがあります。
特に中高年の男性は、残尿感を感じるようになると前立腺肥大症の可能性があります。前立腺とは、膀胱のすぐ下にあり、尿道をドーナツ状に包んでいる男性特有の臓器のことです。
50歳を過ぎるころからホルモンバランスの崩れが原因で、次第に肥大しやすくなります。この症状は、肥大した前立腺が膀胱を刺激するため残尿感を覚えやすくなり、うまく尿を出し切れずに膀胱や尿道に残ってしまいます。
この前立腺肥大症が進行し、末期になると尿が出ないようになってきます。
残尿が膀胱に残っていても尿は作られるので、膀胱に尿があふれてしまうようになります。あふれた尿が、ぽたぽたと尿漏れとなって現れるのです。
さらに、残尿が増えると腎臓の機能は低下します。
正常ならば腎臓でつくられた尿が膀胱にたまるのに対して、出口がいっぱいになって流れ出ないために腎臓が腫れてくることもあります。
水腎症、もっと悪化すれば閉塞性腎不全、尿毒症に進展してしまうのです。
尿漏れは年のせいだと諦めて、その他の症状を感じていても放置していませんか。
放っておけば大変なことになります。
まずは診察を受けてみましょう。
破水と尿漏れの違い
妊娠後期にもなると大きなお腹が目立ってきて、いよいよ赤ちゃんとの対面も間近に迫っています。
お母さんとなる母体は出産に対してとてもデリケートなもので、不安や心配事はなるべく解消したいものです。
妊娠中は大きなお腹が母体の内臓を圧迫するため、膀胱も圧迫されて少し力を入れるくらいでも尿漏れを起こしやすい状態です。
そのため妊娠後期にもなると、この症状が尿漏れなのか破水なのかわからない、という妊婦さんはたくさんいます。
破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて羊水が外に出ることをいいます。
出産の過程で、破水は陣痛がピークの頃に起こる現象です。
しかし、陣中の前に羊水が出ることもありこれを「前期破水」といいます。
尿漏れと破水の差をどう感じるかは、人それぞれ個人差があります。
尿漏れだと思っていたのが破水だったり、破水と思って慌てて病院に行ったら尿漏れだったり…といろいろな体験談を聞くことがあります。
破水と尿漏れの差は、自分の意志で止めることができるかどうかです。
止めることができず、流れ出る量が増す一方なら間違いなく破水です。羊水は生臭い匂いがするので嗅いだらわかると一般的には思われていますが、やはりそれも個人差があります。何も臭わなかったという人、精子のような匂いがしたという人もいます。
もし、破水だと疑いのある症状があるのならば速やかに病院へ相談してください。
素人判断は危険なので絶対にやめましょう。
妊娠期・産後の尿漏れ
女性の妊娠・出産には、普段とは違って思いもよらない変化がたくさんあります。
変化は外的な変化、内的な変化、精神的な変化と全てにおいて起こります。
体験した本人にしかわからない変化もたくさんあることでしょう。
尿漏れも妊娠・出産に大いに関係しています。
出産経験のない女性の尿漏れ経験が10%程度であるのに対し、出産経験のある女性の尿漏れ経験は40%を超えるといわれています。
これは、妊娠・出産において尿道の周りの筋肉や骨盤低筋、靭帯などが緩むのが原因とされています。
これに加え、更年期になると女性ホルモンのバランスが崩れてくるので、さらに尿漏れの症状は悪化する一方です。
妊娠中尿漏れが起こりやすいのは、お腹の赤ちゃんが育つにつれ母体の内臓は圧迫されていきます。
膀胱も圧迫されています。そのため、少し力を入れただけで膀胱に強い力がかかり、尿漏れが起こりやすくなります。
さらに出産後は大きくなった子宮や、出産のため尿道を締める役割をしていた骨盤低筋が緩むため、締まりが悪くなって尿漏れが起こりやすくなるのです。
尿漏れを感じるのは、特にせきやくしゃみ、大声で笑うなど日常のちょっとした仕草で起こっているようです。
緩んでしまった骨盤低筋は鍛えることで尿漏れを改善することができます。
しかし、産後すぐの場合は骨盤低筋が出産でダメージを受けているので控えましょう。
産後1カ月くらいしてから骨盤低筋体操を始めるのが理想的です。
尿漏れパッドが便利!
尿漏れの症状を抱えていえると、外出先や就寝時も気になるものです。
一度外出先で失敗してしまうと不安になって、旅行やスポーツにためらいや諦めてしまうこともあるでしょう。
しかし、そんな時に役立つ尿漏れグッズがあります。
尿漏れパッドはショーツと一体型になっているものと、使い捨ての生理ナプキンのようなものまで様々なものがあります。
男女ともに市販されており、手軽に尿漏れを対処できるので大変便利です。
尿漏れを「恥ずかしい」「他人に知られたくない」と思う女性は特に、尿漏れパッドと聞くと抵抗があるかもしれません。
そこで生理用ナプキンを代用している人も中にはいるかもしれませんが、そもそも用途が違うので尿漏れには対応していないのでお勧めできません。
生理用ナプキンは、血液のような粘り気のあるものを吸収するのに優れています。
しかしほとんど水分でできた尿は瞬時に受け止めることができず、漏れて下着を汚す、逆戻りによるかゆみが起きる可能性があります。
最近の尿漏れパッドは薄くてコンパクト、消臭効果もある商品がたくさん開発されています。
尿をしっかり吸水して臭いを閉じ込めることができるよう、構造と素材が考えられています。
時間とともに表面がさらさらになっていくものもあるようです。
尿漏れパッドは薬局やドラッグストアで取り扱っているのが一般的です。
しかし、店頭で買うのが恥ずかしい人は、インターネットを活用して購入も可能です。
尿漏れパンツとは
尿漏れに悩む人は一度外出先で失敗してしまったら、気になって外へ出るのがおっくうになりがちです。
デリケートな問題なので「恥ずかしい」「隠したい」という気持ちが先立って病院で受診することもためらわれます。
そこで、尿漏れに役立つグッズはたくさん市販されていますので、試してみてはいかがでしょうか。
尿漏れによく活用されているのが、尿漏れ専用のショーツです。
男性、女性それぞれの商品がでています。布製の吸水パッドがショーツについていて、何度も洗えて経済的だと使用されている人は多いようです。
最近では尿漏れパンツだと他人に悟られない工夫がたくさんされており、見た目もおしゃれなものが増えてきました。
通気性がよくムレにくく、防臭効果もしっかりとされているものが尿漏れショーツの特徴です。
軽い尿漏れならば、20~30ccほど吸水できるタイプのショーツで対応できます。
旅行用や尿漏れの量が多い人は、1枚で120ccも吸水できるタイプなどがお勧めです。
ショーツだけでは心配という方には、男女兼用で使える紙でできた使い捨て尿漏れパッドも市販されています。
女性用の生理ナプキンのような手軽さで大容量の尿漏れに対応でき、尿漏れ専用のショーツでなくても装着可能なものが多く出ています。
使用後はそのまま捨てるだけでよいので、洗濯の手間が省けます。
長期の旅行や就寝時にお勧めです。
尿漏れグッズを上手に活用して、外出先でも快適に過ごせると理想的です。
尿漏れを防ぐ体操
尿漏れで悩みを抱えている人は、特に女性に多いようです。
その理由は、男女の体の仕組みの違いにあります。
男性の尿道は前立腺もあって長く尿が出にくい構造ですが、女性の場合尿道は直線的で短いのが特徴的です。
さらに、骨盤の出口で内臓を支える骨盤低筋という筋肉が妊娠・出産、加齢によってダメージを受けるため、解剖学的な理由からしても尿漏れは起こりやすい身体の仕組みといえます。
この骨盤低筋は、意識的に鍛えることで強くなり、尿漏れの症状を改善することができます。
骨盤低筋運動は自宅でも簡単にでき、毎日続けることで効果が期待されます。
この体操は、家事などの途中にもいつでも出来ます。
まず、机にも持たれた姿勢になります。机くらいの高さに両手を肩幅に広げてつき、少し脚を広げて立ちます。
体重を腕にかかるようにし、背筋を伸ばして顔をまっすぐにし肩とお腹の力を抜きます。肛門と尿道を「ギューッ」としめるイメージで10秒ほど力を入れます。
その時、「肛門を胃に近づける」イメージで息を吸います。その後は30秒ほどリラックスしてください。
次に、「肛門、尿道を締める」イメージで力を入れる、リラックス、を早いテンポで10秒ほど繰り返してください。これを1日少しずつ続けます。
体操の効果はすぐに現れるものではありません。
時間と忍耐と努力が必要となります。ゆっくり焦らず、自分のペースに合わせて体操を行いましょう。
持続することが一番大切です。
尿漏れの治療法
尿漏れで悩んでいる人は沢山います。しかし病院に行って診察を受けたという人は、症状を意識している人の1割にも満たしません。
これは女性が圧倒的に症状を抱えている人が多く、「恥ずかしい」などの理由から病院を遠ざけていることに原因があります。
また、病院の方もほとんどの尿漏れは命に別条のない症状なので、進んで診察を促すことはありませんでした。
しかし尿漏れや頻尿といった尿トラブルとは、精神的ストレスになりかねません。
好きなスポーツや旅行が行けず我慢している、トイレが大変だから外に出るのがおっくうだ…など、社会生活を送る上で問題が出てきます。
最近では不自由さを感じない快適な生活をすることこそ健康だとして、QOL(Quality of Life)の考え方に変わってきました。
ほとんどの尿漏れの治療は、自宅でも行うことができます。
肥満や便秘などが原因の尿漏れは、原因を解消することで緩和されるはずです。
妊娠・出産、加齢が原因の尿漏れには、膀胱を支えている骨盤低筋を鍛えることで改善が期待されます。補助的に、尿道を引き締めて膀胱を緩める薬を服用することもあります。
少し症状が重い人は、尿道周囲コラーゲン注入法という手術もあります。
これはコラーゲンというたんぱく質を緩んだ尿道の括約筋に注入し、狭めて強くする方法です。
この手術は短期入院の30分ほどで終了し、健康保険も適用されます。
尿漏れを治らない症状と諦めずに、自分に合った改善策を見つけましょう。
子供の尿漏れ
尿漏れで悩む人は、なにも成人だけとは限りません。
子供にも尿漏れは存在します。
子供の尿漏れには、夜尿症が最も多くあげられます。
子供の夜尿症の原因は、膀胱機能の異常、自律神経の異常、アレルギー説や睡眠異常などさまざまな説がありますが、いまだはっきりしたことは分かっていません。
夜尿症とは夜間就寝中に排尿を無意識にしてしまう症状で、衣類や布団や濡れてしまうほどの状態をいいます。
この状態が5~6歳まで続くようなら夜尿症と定義されます。
もし、昼にもお漏らしがあるようなら膀胱機能の異常が考えられます。
放っておくと悪化しかねないので、速やかに受診することをお勧めします。
夜尿症には乳児から続く一次性と、幼児期から学童期にかけて夜尿が止まったにもかかわらずまた再開する二次性の二通りに分けられます。
二次性では、再開した原因に心理的要因やホルモン異常による尿崩症が考えられます。
夜尿症の治療は、主に生活指導が中心です。
水分摂取の時間調整や冷え症状の対策、排尿訓練も効果的とされています。
また排尿中断訓練といって、おしっこを出している時一気に出し切らないで途中で中断してみる方法もあります。
泌尿器を鍛えることができます。
症状が重度な場合などは薬を服用する場合もあります。
一番大切なことは夜中に起こさず、治らないからといって焦らず、お漏らししたからといってしからず、ということです。子供のペースで見守ってあげましょう。
